理科教材研究        重松研究室の研究・教育・地域貢献活動はこちら(pdf形式)

重松研究室で研究し、公開した教材・カリキュラム案を掲載します。

 電気・電流
電気による発熱実験の検証
小学校第6学年『電気の利用』−「電気による発熱」
学習指導要領改訂により、新しく「電気による発熱」の内容を小学校6年生で学習します。太い発熱線の方が発熱量が大きいはずですが、細い発熱線の方が早く発泡スチロールを溶かすという報告が教育現場から多数報告されています。その謎を簡単なオームの法則を活用して数式的に説明しています。
                    
  詳細は以下参照:「小中学校理科「電気による発熱」に関する基礎研究 −定量的理解度向上のための数式の活用−」 山口大学教育学部研究論叢 第61号 (2011) 181-194. 投稿論文はこちら 2. 「小中学校理科「電気による発熱」に関する基礎研究U ―細い電熱線の方が早く発泡ポリスチレンを溶かす謎の検証―」山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第34号 (2012)  47-56.投稿論文はこちら   公開論文はこちら
洗濯板モデル(Washboard model)
 中学校理科第2学年『電流』−「電流・電圧と抵抗」 他
中学校理科で活用されている電流の流れや抵抗の様子を表す『パチンコ台モデル』に変わる『洗濯板モデル(washboard model)』に関する提案を行ないました。オームの法則に則した抵抗(発熱体)の直径、長さ、抵抗率も考慮したモデルです。
  詳細は以下参照:1. 「金属導体中の電子の運動とオームの法則 −中学校理科「電流、電圧と抵抗」における洗濯板モデル(washboard model)の提案−」山口大学教育学部研究論叢 第61号 (2011) 195-206.投稿論文はこちら 2.「中学校理科「電流・電圧と抵抗」における洗濯板モデル(washboard model)の半定量的考察」 山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第35号 (2013)  59-69.投稿論文はこちら 3. 「中学校理科「電流・電圧と抵抗」における洗濯板モデル(washboard model)を活用した授業実践」 学部・附属教育実践研究紀要 第11号 (2012)  13-24.
銅線の電気抵抗の温度変化
 中学校理科 発展的学習
 高校物理 『電気抵抗』
中学校理科における発展的な学習の1つとして「銅線の電気抵抗の温度変化」に着目し、ここに隠された基礎科学を掘り起こし、中学校理科教員として理解して欲しい内容に関する定量的な考察を行った。またこの内容は、近年注目されているエネルギー・環境教育へとつながるものであり、その中でも多くの場合で採用されている『節電・エコ』という視点ではなく、『基礎科学・省エネ技術』を考慮した教育指導への発展が期待されるものでもある。
  詳細は以下参照:「銅線の電気抵抗の温度変化  −中学校理科における発展学習に向けた定量的考察−」山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第32号 (2011) 17-26 . 投稿論文はこちら

 放射線
放射線
 中学校理科第3学年『エネルギー』−「放射線」
多くの教育現場で活用されている簡易放射線測定器「はかるくん」における空間測定分布や測定回数に関する評価等、既に報告・公開されている教員向けの指導書には書かれていない部分を実験や計測により系統的に評価するなど色々な角度から検討しており、実践に向けた基礎知識として活用できる内容となっています。
  詳細は以下参照:1.「中学校理科「放射線」に関する学習・指導のための基礎研究T −簡易放射線測定器「はかるくん」の特性及び測定方法−」 山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第33号 (2012)  113-123. .投稿論文はこちら  
2. 「中学校理科「放射線」に関する学習・指導のための基礎研究U −簡易放射線測定器「はかるくん」を活用した測定例−」 山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第33号 (2012)  125-134. 投稿論文はこちら  公開論文はこちら 3. 「中学校理科「放射線」に関する学習・指導のための基礎研究V −教育現場における自然放射線測定−」 山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第34号 (2012)  47-56. 投稿論文はこちら   公開論文はこちら

 電気の利用、エネルギー、発電
電灯すら使用を必要としない完全全天候対応の光電池学習キット
 小学校第4学年『電気の働き』−「光電池の働き」
 小学校第6学年『電気の利用』−「発電・蓄電」 他

 
電灯すら使用を必要としない完全全天候対応の光電池学習キットです。小学校第4学年において、太陽光または電灯(個別の電気スタンド)を用いて光電池を用いた発電を学習します。電灯を用いることにより屋内における天候に左右されない実験が可能であるが、その準備は手間です(そのためだけの複数台の電灯の購入・管理が必要となる)。そこで、個別電灯の使用すら必要としない、教室の天井にある蛍光灯で十分発電、学習できる完全全天候型の光電池学習キットの製作を試みました。得られる物理量を定量的に(電流計、電圧計)、かつ定性的にLEDの照度、電子メロディの音量の大きさと音色などの評価・体感できる構成となっています。つまり、定性と定量両面での学習が可能です。
  詳細は将来的に公開します。
さまざまな方法での発電
 中学校理科第2学年『電流と磁界』−「電磁誘導と発電」
 高等学校物理  他


 
電磁誘導を始め、熱電対によるゼーベック効果、ペルチェ素子によるゼーベック効果、圧電効果などの物理現象を活用した発電方法の理解するための教材です。ちなみにゼーベック効果とは物体の温度差が電位差(起電力)に直接変換される現象であり、ペルチェ効果とは逆に電位差から温度差を作り出す現象です。ペルチェ素子は本来、電気を流すことにより温度差を生じさせ、冷却面を活用して小型冷蔵庫やCPUクーラーとして活用されるケースが多いですが、可逆現象としてゼーベック効果も観測可能です。熱電対によるゼーベック効果、ペルチェ素子によるゼーベック効果共に温度差から電気を作り出す環境にやさしいクリーンエネルギーです。また、圧電効果も圧力を用いて電気を作り出すことが可能なクリーンエネルギーであり、人の歩行により電気を作り出す床発電システムなどが開発され、人通りの多い駅内やサッカースタジアムなど、既に実用化もしくは実用化に向けた研究がなされています。
  詳細は将来的に公開します。
コンデンカー
(コンデンサーミニ四駆)
 小学校第6学年『電気の利用』−「発電・蓄電」
 中学校理科第3学年『エネルギー』−「さまざまなエネルギーとその変換」 他

 [動画はこちら] 
市販電池ではなく、コンデンサーに貯めた電気によって走るミニ四駆です。教育現場には必ずある(はず)手回し発電機を用いて蓄電を行います。コンデンサーと充電池の放電の違いを示すために蓄電池で走るミニ四駆も製作しました。「エネルギー生成・変換・備蓄」をテーマとした教材です。
  詳細は以下参照:「エネルギー生成・変換・備蓄をテーマとした教材開発及び実践  ― 充電池とコンデンサーの活用:手力ためる君とコンデンカー ―」島根大学教育学部研究紀要 第44巻 (2010) 29-34. .投稿前論文はこちら
手力ためる君(てぢから)
 小学校第6学年『電気の利用』−「発電・蓄電」
 中学校理科第3学年『エネルギー』−「さまざまなエネルギーとその変換」 他
 
 [動画はこちら] 
手回し発電機を用いて発電した電気を充電池に蓄える教材です。コンデンサーと異なり、蓄電した充電池をおもちゃや電気機器に自由に活用することが可能です。「エネルギー生成・変換・備蓄」をテーマとした教材です。
  詳細は以下参照:「エネルギー生成・変換・備蓄をテーマとした教材開発及び実践  ― 充電池とコンデンサーの活用:手力ためる君とコンデンカー ―」島根大学教育学部研究紀要 第44巻 (2010) 29-34. .投稿前論文はこちら
コンデン池
 小学校第6学年『電気の利用』−「発電・蓄電」
 中学校理科第3学年『エネルギー』−「さまざまなエネルギーとその変換」 他

 
 市販の電池スペーサーの中にコンデンサーを入れた電池感覚でコンデンサーに蓄電できる教材です。ワイルドミニ四駆のように低速ギアが組み込まれている自動車模型での活用ができます。
さらに、手力ためる君を活用して充電池の代わりにコンデン池を用いることもできます。
  詳細は以下参照:「エネルギー変換の定量的理解に関する研究 − 中学校理科におけるコンデンサーを用いた授業のデザイン −」山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第31号 (2011) 59-70.   投稿論文はこちら
山大ラッコ
 小学校第6学年『電気の利用』−「発電・蓄電」
 高校物理 『コンデンサー』 他
   (平行板コンデンサーの基礎及び数式と実験を用いた定量的な講義が展開できます)

 
山口大学・ラミネート平行板コンデンサ」:(”ラ”と2つ(two)の”コ”を選び出してラッコと命名)
平成23年度より全面実施された新学習指導要領に従い追加された小学校6年生の理科「電気の利用」分野で活用できる教材です。平行板コンデンサの製作に関しては多くの教員等によって既に製作・公開されています。しかし、複雑な作業を伴い小学生には不向きです。そこで、ラミネートすることによって、「早い(製作時間)、安い(教材費)、わかりやすい(原理)」という小学生に理解しやすい教材を作成することができました。
詳細は以下参照「小学校第6学年理科 単元「電気の利用」で用いる教材開発のための基礎研究  −手作り平行板コンデンサの製作及び性能評価−」  山口大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 第32号 (2011) 27-36. 投稿中. 投稿論文はこちら



*********** 以下、現在整理中 *************


活 動 内 容
自転車発電、手力ためる君、ぴかちゅう(光無線通信 with 懐中電灯)、色の三原色等いろいろ教材の作製及び実践を行っています。(詳細は今しばらく、お待ちください。)

 また、「理科工作クラブ」も立ち上げ、学部内の大学生と一緒にも行っています。ぜひ、興味のある大学生(現時点では山口大学・島根大学の学生に限る)はご連絡ください(事業タイトル「教員を目指す大学生のための教材開発・実践サークルにおける体験活動」)。教育関係者の方には開発支援・技術支援も行いますので、お気軽にご連絡ください。
自転車のハブダイナモを用いた手回し発電機を制作しました。DC12Vの小型テレビが見えるぐらいの発電が可能となりました。詳細は後日掲載します。2009/1/21     
コンデンカー
(コンデンサーミニ四駆)
市販電池ではなく、コンデンサーに貯めた電気によって走るミニ四駆です。教育現場には必ずある(はず)手回し発電機を用いて蓄電を行います。コンデンサーと充電池の放電の違いを示すために蓄電池で走るミニ四駆も製作しました。以下で示す「手力ためる君」と同じく、「エネルギー生成・変換・備蓄」をテーマとした教材です。
作業風景及び
部品
    
コン電カー     
準備物 ○ミニ四駆         ○コンデンサー 2.5V, 10F 2個
○ダイオード 2個    ○スイッチ
○その他、いろいろ
温度差発電
(ペルチェ素子)
ペルチェ素子を活用した温度差発電です。構造は簡単でペルチェ素子の両面に銅板を取り付け下写真のように折り曲げると完成です。高熱源と低熱減源にそれぞれ接触させることにより発電します。太陽光モーターを用いて発電の確認を行います。
作業風景及び
部品
    
温度差発電の
様子
  
準備物 ○ペルチェ素子          ○太陽光モーター&プロペラ
○銅板
○熱伝導両面テープ
手力ためる君
エネルギー変換教材です。多くの場合は運動エネルギーを電気エネルギーに変え、そのまま活用しますが、こちらは備蓄(充電)も備えています(エネルギー生成、変換、備蓄)。3台の試作のもと、現在の「手力ためる君」になりました。自分の力で作った電気を貯め、それをおもちゃで遊ぶという流れです。市販の手回し発動機とこの手力ためる君があれば、いくらでも充電池に電気を貯めることが可能です。どこの科学教室、小中高等学校で行っても大好評です。
(簡単には手回し発動機で発電した電気を充電池に充電する教材です。
■理解すること■(小中高等学校全てに対応可能です。)
    ○エネルギー生成、変換、備蓄    ○電気を作る大変さ体験
    ○LEDの性質理解。           ○整流回路理解
    ○フレミングの左手の法則    その他いろいろあります。
手力ためる君 (外観)      (内側回路) 
(手回し発動機をつなげるだけです。電圧計・電流計をつなぐことが可能であり、定量的議論も可能です)
手力ためる君II
(内部回路理解のためのキットも製作しました。
  
実践の様子です。充電した電池でたとえば馬のおもちゃを走らせています。     

    
準備物 お問合わせください。
「エネルギー生成・変換・備蓄をテーマとした教材開発と実践」 重松他
日本エネルギー環境教育学会第二回全国大会 2007年8月7日(火)(8/7(火)- 8/8(水)) 高知工科大学にて発表
教材用小型風力発電
小学生対象に風力発電のシステムを理解するための教材です。こちらは既に多くの方により、公開されているものではありますが、輝度の高いかつ8mmLEDを用いたりと児童が興味が持てる構成にしています。組み立て、色塗りは児童に行ってもらいますが土台(木材・塩ビパイプ加工)作製は大学生により事前に準備します。大学生に対する工作技術(糸のこ盤、やすりがけ、くぎ打ち、半田付け等)の向上も目的に入っています。
大学生による
事前作業風景
    
児童による組み立て及びデコレーション     
準備物 ○直径14mmの丸棒、高さ150〜180mmにカット
○平板、お好みのサイズで可   ○塩ビパイプ VPM16、60mm程度にカット
○マブチモーター 12Vまたは24Vのもの
○LED 8mm赤            ○モーター用羽
○PPシート比翼用、100円ショップで購入)   
○釘                    ○木工用ボンド
自転車発電
言わずと知れた「自転車発電」。力学的エネルギーから電気エネルギーへの変換を学びます。整流回路を用いた交流から直流への整流の仕方をオシロスコープを用いて学習します。
小学生から高校生までの幅広い活用が可能です。
製作風景   
実践の様子
 
   
準備物 以下の文献をご参照ください。
「サイエンスEネットの親子でできる科学工作2」川村康文編著 かもがわ出版
ISBN 4-87699-584-2
太陽光発電
システム
 重松准教授の指導のもと、教育現場で活用できる太陽光発電システムを製作しました(「理科工作クラブ」)。計画から完成まで数か月を要しましたが、学生は@:太陽光発電の原理・システム理解、A:工作技術向上がなされたことと思います。現在、固定用パネル(140 W)により、発電された電気は物理学実験室において活用されています。移動用パネル(18 W)は出前講義用に活用されています(エネルギー環境教育として用いています)。  2008月5月17日(土)完成
製作風景     
太陽光パネルとコントロールシステム    
蓄電、コントロール部全体 太陽光パネル(シャープ、NE-70A1T、70W 2枚)
コントローラー(未来舎、PV-1212D1A)
バッテリー(LONG、完全密封型鉛蓄電池 (12V 28Ah) 、6台)
DC/ACインバーター (500 W用)
電流計&電圧計
発電量及び消費電力管理用パソコン&モニター
蛍光灯発電
 エネルギー環境教育の一環として、小型太陽光パネル、充電池、CdSセルにより構成された蛍光灯による発電教材を作製しました。廊下上部に設置し、廊下の電気が消えた時に感知し、LEDが付くようになっています。
(左)通常
(中)夜間・廊下の電気消灯時
(右)蛍光灯上部に小型太陽光パネル
       

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